港区立郷土歴史館等複合施設「ゆかしの杜」

  • 建築主:東京都港区
  • 所在地:東京都港区
  • 階数:地下2階 地上5階 塔屋4階
  • 延べ面積:約15,155m²
  • 構造:SRC造
  • 竣工年:2018年

港区白金台の地にある1938 年竣工の旧公衆衛生院建物を、港区が国から取得の上、新たに郷土歴史館・がん在宅緩和ケア支援センター・子育て関連施設等の複合施設に用途を変更して、区の公共施設として保存活用した事業である。
特筆すべきは、未指定文化財の建物をその歴史的価値を保持しながら、創建時の研究・研修施設から地域のコミュニティに貢献する時代の要請に応えた複合用途への転用を図り、保存と活用を両立させたことである。国民の財産でもある公共建築に対する公共団体の使命を広く社会に示す先駆的事例であると考える。
JRE設計は、実施設計と工事中の設計意図伝達に関わり、主に保存と復原について担当した。文献調査と建物外部と内部の現状調査、保存部分の設定、材料や部材の保存・補修、記録、復原部分の設定と復原手法の検討など、東京駅丸の内駅舎保存・復原の経験と実績が活かされている。
◇基本設計・実施設計監修:日本設計
◇保存活用監修:田原幸夫(京都工芸繊維大学KYOTO Design Lab特任教授。元所員)
◇実施設計:港区立新郷土資料館等複合施設設備工事設計共同企業体
(大成建設・香山壽夫建築研究所・JRE設計)