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制約を乗り越える
ロングスパン架構

東中神駅
  • 所在地東京都昭島市
  • 竣工年2018年
原宿駅
  • 所在地東京都渋谷区
  • 竣工年2020年
日立駅
  • 所在地茨城県日立市
  • 竣工年2011年

地上駅において、線路を挟んだ両側から駅を円滑に利用するためには、線路の両側に改札口や乗車券売り場を設ける必要があります。これに対して、プラットホーム・線路の上に橋を架け、そこに駅機能を集約することで駅業務の効率化を図ったのが「橋上駅」です。さらに、橋上駅に自由通路を併設させることで、線路で分断された地域をつなぐ交通結節点としても利用可能となり、安全で利用しやすい駅が実現されます。

この橋上駅を実施するために大切な役割を果たすのが「ロングスパン」の架構です。橋上駅の、線路をまたぐ柱スパンは15~20m程度となる場合が多く、線路の本数が多い場合には30~40mにおよぶことも。梁のたわみ量、利用者の歩行振動、鉄道運行への影響に配慮した施工方法などを考慮しながら、構造計画を検討することが重要となります。意匠性や利便性を損なわず、厳しい与条件の中で合理的な架構を実現することが、構造設計者としての腕の見せ所です。

都心部の駅では鉄道機能を維持しながら施工を実現する為に、柱・杭の平面位置と外形寸法の選定が最大の課題となる。原宿駅では、これらに建物重量等の構造計算条件を加えた膨大な組み合わせパターンから最適解を求め、最大スパン27mにおよぶ人工地盤を実現した。
線路上空部の線路を跨ぐ梁は、16mのロングスパンとなる。また、本建物の特徴の一つである橋上駅舎棟から自由通路棟にかけて取付いている大庇の受け材については、先細りのCT材で軽快に見せると共に接合部を現さないよう配慮した。

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