東日本大震災によって被災した福島県国見町庁舎。その翌年から復旧・復興のシンボルとなる新庁舎の建設事業は始まりました。
庁舎は町民が身近に接する公共建築であるため、日本人に最も親しみのある木材を外装に積極的に使用すると共に、内部の木架構を外部へ表出させる透明なファサードとすることで、建物周辺の樹木や雄大な山の景色との一体化を図っています。
また、主要構造部の柱や梁には地場産の木材を多用し、木質ハイブリッド鋼材内蔵型集成材を用いて、耐火建築物でありながら木の架構に包まれた空間を実現しました。庁舎という建築と町民のための広場を一体化し、公園のように気軽に立ち寄ることのできる場所になった国見町庁舎。
この取り組みは、内外装の積極的な木質化によって国土交通省から木造建築技術先導事業として採択され、日本建築学会や公共建築協会をはじめ、数多くの賞を受賞しました。

