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誰にとっても
違和感のない空間

鉄道博物館南館/本館リニューアル
  • 所在地埼玉県さいたま市大宮区
  • 竣工年2018年

これまで延べ1,000万人以上の来館者に親しまれてきた鉄道博物館。開館から約10年後となる2018年7月、新たに南館が増築され、本館もリニューアルしました。

鉄道博物館の建物における特徴はなんといっても開放感。特にメインとなる車両展示空間は1階から3階天井までが吹き抜けとなっています。その意匠デザインを陰で支えているのが空調設備です。吹き抜けまわりのエアバランスに配慮した各階空調機の系統切り替えや、空間に違和感なく溶け込めるよう制気口の調整を図るなど、意匠にも配慮した設計となっています。また、車両展示空間では来館者がホームの下で車両を眺められるようになっているため、個別空調機を床下に設置、ホーム横から空調するよう設計しています。

子どもから高齢者まで多くの方が訪れる鉄道博物館。暑い日も寒い日も、誰にでも許容される違和感のない空間づくりが施されています。

積層する記憶を体現したファサード。無造作に積まれたボリュームは、鉄道の記録・知識(=記憶)の積み重ねであり、未来への疾駆する列車の流れを表現している。建物の姿や周辺の線路が想起させる鉄道のリニアな流れを外装デザインに取り込んだ。

提供:JR東日本上信越工事事務所

記憶の風景と今の風景をめぐる博物館。吹抜けを中心に螺旋状に巡る動線の中に、博物館が所蔵する展示資料と周辺を走る鉄道の風景を交互に現れるようにすることで、知識のアーカイブに本物の鉄道風景を取り込み、同時にそれらを楽しめる建築とした。

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