1912年(明治45年)に開業された「万世橋駅」。辰野金吾氏の設計による旧万世橋駅は、関東大震災によって駅舎が焼失し、1936年に旧駅舎跡地やレンガアーチ橋を利用した交通博物館が建設されました。しかし、その交通博物館も2006年に新設された鉄道博物館により閉館。そこで、長い間人々に親しまれてきたレンガアーチ高架橋を商業施設として活用するリノベーションプロジェクトが始まりました。
開口部はアーチの形状がそのまま現れるよう全面ガラスサッシで構成され、駅開業時のホームや階段など貴重な遺構を活かしつつ、電車の往来が楽しめるカフェや展望デッキを新設。また、神田川沿いに親水デッキを設けることで館内と水辺を回遊するルートの確立など、現代に合った賑わいある商業施設「マーチエキュート」として生まれ変わったのです。
レンガアーチ橋は、これからも東京の歴史を感じさせる景観づくりとして息づきます。