
Komatsu 九(コマツナイン)
- 建築主:石川県小松市
- 所在地:石川県小松市
- 階数:地上1階
- 延べ面積:1,063.62m²
- 構造:S造
- 竣工:2023年9月
小松を発信する観光交流拠点
2024年春の北陸新幹線小松駅開業を見据え、小松市が整備を進めてきた小松駅高架下の観光交流センター「Komatsu 九」が2023年9月18日にグランドオープンを迎えた。Komatsu 九は、2つの高架下に渡る100m×30mの敷地において分棟配置で構成されている観光交流施設であり、A棟:観光案内所・お土産店・カフェ、B棟:コワーキングスペース、C棟※:飲食店舗、D棟:展示・ギャラリースペース等の4つの棟から成る。
敷地内には東西南北に抜ける通路と、各棟内を抜けて施設全体を巡る通路を通すことで、駅周辺における人々の回遊と滞留を生み出すきっかけづくりの場となるような計画とした。
高架下に「みち」をつくり、人々の「動線」、街の「道線」を取り込む
小松の街は駅を中心にして、西側は歴史的文化財が数多く残り、お旅まつりなども開催される「歴史ゾーン」、東側はサイエンスヒルズやこまつの杜など「開発が進むエリア」、そして公立小松大学を含むこまつアズスクエアなどがある南側の「知の発信ゾーン」が駅周辺に存在している。
待ち時間や通りすがりにふらっと立ち寄り、小松の文化や歴史を身近に感じられるような場所とするため、敷地内の東西南北を貫通する「とおりみち」、各棟内を巡る「ぬけみち」など、「観光・ビジネス・街」をつなげる「みち」を高架下につくり、施設内を歩き回れる平面計画とした。
さまざまな出会いが生まれる「きっかけ」の場所
各棟の軒を延ばし、ルーバー状のシェルターと一体とすることで、大通りを足早に通り過ぎる人々の歩行速度を少し緩めて、ちょっと「よりみち」したくなるような場所を至る所に散りばめた空間構成とした。
建築と一体となったベンチやハイテーブルのファニチャーは、出逢いや「きっかけ」が生まれる仕掛けとなり、小松に関係するアーティストや職人の作品を展示したストリートギャラリーや、各棟内を通る小松瓦を混ぜた舗装材を施した「ぬけみち」は小松の文化や歴史を知る「きっかけ」の場所となっている。
新幹線駅の開業とともに、より一層小松と関わるための様々な出会いが生まれる「きっかけ」の場所として、市民に愛される場になることを願っている。
※C棟はJR西日本管轄