
JR東日本ホテルメッツ 高円寺(リニューアル)
- 建築主:日本ホテル
- 所在地:東京都杉並区
- 階数:地上9階 地下1階
- 改修面積:約3,140m²
- 構造:S造
- 竣工:2023年7月
NEO ’70s INTERIOR
高円寺駅の北口に2007年3月に開業したホテルメッツ高円寺のリニューアルプロジェクトである。ホテルメッツの設計においては、その街のテーマやスタイルを内装デザインで表現することが多い。「中央線文化」という言葉があり、その発信は特に1970年代に盛んだったといわれている。そこで、リニューアルのテーマを「NEO ’70s INTERIOR」とした。70年代のインテリアを現代風にアレンジした特徴的な幾何学模様のデザインとレトロなカラーで、ノスタルジーを感じる空間を演出している。
開業当時の設計との融合
改装可能な範囲の中で、現代のホテルに求められる事をどこまで実現できるか検討を重ねた。意匠面では、ロビーやエレベーターホールなど、既存の天井・壁面を活かしながら、床面に既存形状を取り入れたデザインカーペットにすることで、改修部分と既存部分が一体となるよう工夫をした。機能面では、開業時にホテルメッツとして初めてビューバスが採用された客室は、バスルームを見直し洗面スペースを広く取り三面鏡付きのパウダースペースを実現している。ユニバーサルルームは、開業時には洗い場付きの浴室として日本ホテルで初めて採用されたものであるが、浴室扉をリニューアルし、新たな内装と馴染むデザインとした。また、デラックスルームは小ベッドを置けるスペースを確保し、3名で利用できるようにした。
もう一つのリニューアルポイントは、空間構成を見直すことにより、2007年の開業時には無かったゲスト用バゲッジスペース・喫煙室、従業員用シャワー室・喫煙室・トイレ等を既存とほぼ同じスペースに効率よく納めたことである。
「利用するすべての人に優しいホテル」のテーマは時代を超えて続いていく。
◇内装デザイン:GRID DESIGN(インテリアデザイン+FFE設計)