
JR東日本 新潟設備総合事務所
- 建築主:東日本旅客鉄道
- 所在地:新潟県新潟市
- 階数:地上6階(新潟支社ビル部分を除く)
- 延べ面積:6,819.96m²(新潟支社ビル部分を除く)
- 構造:S造
- 竣工:2023年6月
新潟支社ビルのコンセプトをつなぐ
2023年6月、JR東日本新潟設備総合事務所が完成した。新潟駅周辺に分散していた設備関係の現業機能を集約した建物で、2020年11月に完成したJR東日本新潟支社ビルと隣接し、渡り廊下でつながっている。
設計コンセプトは、新潟支社ビルの「結び拓くワークプレイス」を継承。「人と人を結ぶ」「支社と結ぶ」「未来を拓くこと」を整備方針とした。渡り廊下でつながる3階には、会議室が集約されている。
執務スペースは、オープンなワンフロアとなっており、人と人とのコミュニケーションを促す工夫をしている。働き方の変化に対応できるフレキシブルな空間となるよう、可変性のある間仕切り壁を設け、フレキシブルスペース・コミュニティスペース・集中スペースをゾーニングした。
会議室は、オープンな雰囲気を醸し出すガラスパーテーションを使用しており、一部可動間仕切りも活用することで、用途に合わせた利用ができる。支社ビルと総合事務所の双方の社員が、連携し交流しやすい環境を実現した。
つながりをデザインでも表現
ファサードデザインは、南西方向の車窓からの視線と南東方向からの歩行者からの視線を意識し、支社ビルと統一感のある仕上げを目指した。3階から5階は連窓、2階と6階はポツ窓だが、壁面全体のデザインを黒ボーダーとすることで、すべてのフロアに水平連続性が感じられ、支社ビルとの一体感が強調されるよう工夫した。
内装デザインについても支社ビルと同様、随所に木目調の仕上げを取り入れている。湯沸かしコーナーなども、執務空間内に取り入れ、木目調の内装に仕上げることで、コミュニケーションの取りやすい温かみのある空間にしている。
エントランスホールの平面計画は、南側道路と支社ビル側からの視線とアプローチを考慮し、曲線壁とデザインウォールの存在感を強調した。緩やかな曲率の曲面壁とすることで、訪れる人の導線がスムーズにエレベーター方向へ向かう構成としている。また、エレベーターホールの壁面は、新潟の原風景である稲穂を表現している。